先日、21カルカッタコンクエスト 200シリーズ用のアベイル製カスタムスプールを紹介させてもらいましたが、さらに続けて21カルカッタコンクエスト 100シリーズと24カルカッタコンクエスト シャローエディションシリーズに対応するカスタムスプールが発売されました。
それが、”21CNQ1034RN”です。
実は、21カルコン100シリーズ用のアベイル製スプールとして数年前に”21CNQ18R”と
”21CNQ36R”という商品が売り出されています。
これらは純正スプールの浅溝タイプという感じで、深さの違いで2タイプある、という感じです。そちらのスプールはまた別の機会にご紹介するとして。
今回発売された”21CNQ1034RN”はナロースプールという純正スプールと全く異なる構造をもつ別物です。
なのでその使い心地には非常に興味があるのですが、実は1点使用するための準備段階でかなり困った所もあったりします。。。。
それは後で紹介するとして、とりあえず詳細を見ていこうと思います。
珍しいスプール構造
”21CNQ1034RN”スプールは、ナローキャストスプールという名称でアベイル製スプールの中でも珍しいジャンルのスプールです。
特徴としては、ラインが巻ける範囲(横幅)が通常のスプールに比べかなり狭くなっている事です。
シマノの14ブレニアスや一部のタイラバリールなどが似たようなスプール構造をしていたはずです。
このナロースプールの最大の特徴は、キャスト時にラインが真っ直ぐ出ていくので、よりスムーズにラインが放出されるようになり、キャストフィーリングが向上する事です。
通常の純正スプールですと、キャスト時にレベルワインドとスプールの間でどうしてもラインが斜めになってしまい、レベルワインドと干渉して摩擦が発生します。
それが抵抗となり、ラインの放出が妨げられて飛距離が落ちてしまうということが起こりがちです。
【余談1:オフショア用ベイトリールはこのレベルワインドとラインの摩擦を防ぐ為に、ライン放出時にスプールの回転に連動してレベルワインドも同時に横運動することで摩擦を軽減する機構が付いている機種がほとんどです】
ナイロンラインやフロロラインを使用する際は、これらのライン表面が比較的ツルツルしているのでこういった摩擦が発生しにくいです。
しかし、PEラインは糸を撚り合わせて作られているという構造上、その表面が凸凹しておりどうしてもレベルワインドやガイドなどと接触する時に摩擦が生じやすくなってしまうんです。
【余談2:この為、PEラインを使用する際には滑りを良くする為にコーティング剤の使用がよく推奨されていたりします】
なので、ナロースプールはPEラインを使用する釣りにおいて、キャストフィールや飛距離を非常に向上させる効果が望めると思われます。
ラインキャパ
さて、そして問題のラインキャパですが。
PEライン | 21CNQ1034RN |
---|---|
0.6号 | 120m |
0.8号 | 80m |
1.0号 | 60m |
このスプールの用途的にライトソルト系やネイティブトラウト系になると思いますので、PE0.8号が80m巻ければ必要十分だと思いますので、丁度いい感じだと思います。
ナロースプール構造に加えて、浅溝設計にもなっているので、さらなるキャストレスポンスの向上とライン節約効果も見込めて非常に嬉しいですね!
スペック
溝深さ | 3.4mm |
スプール本体材質 | 超々ジュラルミン |
スプールシャフト素材 | 超々ジュラルミン |
重量 | 7.2g (純正:8.7g) ※SVS未装着・ベアリング込重量 |
適合機種 | 21カルカッタコンクエスト 100/101 21カルカッタコンクエスト 100/101 HG 24カルカッタコンクエスト シャローエディション 30/31HG |
スプール本体とスプールシャフトの素材は、軽くて強度のある超々ジュラルミン。
重量は、約1.5gほど軽くなっているようです。
適合機種は、21カルコンの100番シリーズと、24カルコン シャローエディションシリーズ。
ブレーキシステムは、アベイル特有の遠心ブレーキとマグネットブレーキのどちらか好きな方を選べる構造です。
遠心ブレーキの場合は、純正スプールからSVSユニットを取り外して移植する必要があります。
その際、破損を防ぐ為に、専用工具である”NEW SVSインフィニティ用 プラー”の使用が推奨されています。
マグネットブレーキの場合は、別途専用マグネットブレーキである”NB-21CNQ”が必要になります。
取り付けは、ポンつけ出来るとの事なので、特に専用工具などは必要ないとの事です。
レベルワインドの交換が必須!
そして、冒頭にも書きましたが、このスプールの困った点は、”アルミウォームシャフト 23CNQ20RN用”というパーツを別途購入+組み込みが絶対必須な点です。
ナロースプールになったことでラインを巻き取れる横幅が通常より狭くなっているので、ラインをきちんと巻き取る為に、その幅に合わせてレベルワインドの動作幅も合わせる必要が出てきます。
その為の調整パーツが、”アルミウォームシャフト 23CNQ20RN用”です。
ただこのレベルワインドパーツ、取り付けがかな〜り困難です。
リールのハンドル周辺パーツとボディカバーを取り外し、レベルワインド部を分解しないといけないからです。
正直、きちんとしたドライバーなどの工具を持っていて、リールを普段から分解清掃するなどして慣れている方でないと、取り付けはもちろん元に戻すことも出来ず、最悪何処かのパーツを破損してしまう可能性があります。
リール販売元であるシマノでは恐らく作業を受け付けてくれないと思いますので、どこかメーカーでないオーバーホールサービスを探すか、購入前にアベイルへ相談するなどした方がいいと思います。
まとめ
というわけで、使用前の準備段階が結構大変なスプールではありますが、その使用感は非常に気になる商品です
管理人の場合、PE0.6~0.8号くらいを用いてメバリングなどのライトソルトや、バス釣りでシャッドやスモールクランクを巻く釣りなどに使ってみて是非使用感を確かめてみたいと思っています。
長々と書いてきましたが、これにはちょっとテンションが上がる理由があり。。。
実は昔、アベイルから14ブレニアス用でナロータイプのマイクロキャストスプールが発売されていたのですが、管理人がこのスプールいいんじゃなかろうか!と思った時には既にリール本体もマイクロキャストスプールも廃盤になっていて色々試せなかったという苦い思い出があるんです。。。
なので、お気に入りのカルコンでナロースプールが試せるのはかな〜りワクワクしております!